歯科医院連携事例
訪問診療を軸とした
地域医療を担う、
歯科がもっと活躍できる
地域医療連携へ
医療法人白愛会白石歯科医院
理事長 白石 亨
訪問診療を軸とした地域医療を担う歯科医院
白石歯科医院は、これまで約30年に渡って新居浜市および近隣地域へ歯科診療を提供してきました。大学時代は歯科麻酔を専攻していましたので、卒業後は病院の麻酔科にて多くの医科医師とも連携してきた経験があります。
また障がい者や歯科恐怖症の患者さんを多く診てきたことから、開業後も県外遠方より患者さんが多くいらっしゃいます。
訪問診療では、在宅の患者さんをはじめとして介護施設、一般病院、療養病院、精神病院から福祉施設などあらゆる医療機関にて診療を行っています。特に神経変性疾患や難治疾患等、要介護度の高い患者さんに対してチームで口腔ケアや摂食嚥下リハビリテーションを提供しています。
診療の際に常に心掛けているのは、歯や口だけを見るのではなく、心を持った人を診るということです。
CHCPを譲渡先に選んだ理由
年齢を重ねて残りの歯科医師人生を考えたとき、後継者がいなかったことと、またひとつの診療所だけで終わらない生き方を考えました。いくつかの医療法人や企業からオファーを頂きましたが、CHCPだけが唯一自分のやってきた訪問診療スタイルと医科歯科連携の実績を高く評価してくれました。
また将来全国的に事業拡大されるにあたって、当院の訪問診療スタイルを各院においても取り入れて行きたいとおっしゃって頂いたことが決断を後押ししました。最終的には、もし譲渡するなら経済条件はいくらでも良いと思ったほどでした。
変わらなかったこと、変わったこと
医院名や従業員の所属先、勤務条件や診療体制等の大きな枠組みは変わりませんでした。これまで通りの体制で診療ができて、患者さんをお迎えすることができています。私自身もこれまでと同じように、歯科医師として診療に多くの時間を掛けることができています。
一方で、現在はCHCPメンバーが経営的なサポートを担ってくれていますので、職場の環境整備や各業者とのコミュニケーション、採用や人事に関する問題、集患の活動などをすべて任せることができました。
また院内研修・セミナーや各業者からのサポートがこれまでよりも手厚くなったことから、従業員の成長意欲が引き出されて診療内容も少しずつレベルアップしてきています。何より現代社会に適した基準で規程や制度を取り入れてくれるため、これまで自身だけでは実現できなかったことを導入してもらえていると実感しています。
次世代へあるべき医科歯科連携を遺す
個人的に「歯科は医科と連携してもっと医療全体に貢献できる、また貢献するべき」と考えていました。もし微力ながらでも自身の経験や知識が役に立てるのならば、CHCPの医療グループ全体において歯科の価値を高めるお手伝いがしたい。
医療連携というテーマは時間も掛かり、また医科歯科お互いの心理的な障壁もあって容易ではない取り組みですが、CHCPには病院、訪問看護など連携先が多く、また連携を促す組織もあることから、自身の知識や経験を上手に活用してもらうことで地域医療連携に貢献したいと思っています。