調剤薬局連携事例
地域のヘルスケアに
欠かせない基盤として
新しい地域医療を
CHCPとともに築く
株式会社ベストシステム
代表取締役社長 溝口 亨昂
会社設立~グループ入りするまでの経緯
今からおよそ30年前の1992年に医薬分業の流行に先駆けて父が会社を設立しました。そこからスクラップ&ビルドを繰り返しながら静岡県浜松市を中心に調剤薬局を展開していきました。
創業からこれまでの間に調剤薬局を取り巻く環境は大きく変化しました。私が薬剤師になったのが2014年、この会社に入ったのが2016年で、前職が若手スタッフの多い大手調剤チェーンで在宅医療中心に様々な経験を積むことができた一方で、地場の中小薬局である実家に入った時にはあらゆる面でギャップを感じたことを鮮明に覚えています。家族経営をしていたこともあり、私が入ったことでさらに一族が増えたということで嫌悪感を示す方もいました(笑)。
経営面では、資金繰りが自転車操業状態であったことは素人ながらも感じていました。そのためまず着手したのが、①加算項目の算定、②門前医療機関外処方箋の獲得(在宅医療の推進)、③若手社員の採用 でした。
初めのころは紆余曲折、色んなことがありました。5年ほど経つ頃には、社員の平均年齢は30代となり、加算算定率は大きく上昇、在宅医療は浜松エリアでも認知されるほどになりましたが、経営状態は大きく改善はしてはいませんでした。
ただ、薬価改定や診療報酬改定があっても悪化するという事態は回避できるようになっていました。そんな中、コロナの流行で会社の状況が大きく変わっていきました。資金繰りに苦戦を強いられ、M&Aを検討するようになりました。
グループ入りを決意した理由・グループ入り後の変化と実感
自分で言うのも大変おこがましいですが、「父や家族の築いた会社をこれからもこの地域に残していきたい」という思いや、経営状態が苦しくなってもついてきてくれた「社員達を何とか守りたい」という思いが当時の私の最優先事項でした。
M&Aの仲介業者からは提携候補先をいくつかリストアップしてもらいましたが、提示額ではなくM&A後の会社の在り方を1番に考えてくれる相手を探していました。それがCHCPでした。事前の面談などでも真摯に私の話を聴いてくださったり、CHCPグループの薬局を実際に見学させてもらえたりと、非常に好印象な方が多くM&Aに前向きになれました。
『地域ヘルスケア連携基盤』この名の通り、地域の中小企業としてこれまでやってきたことを踏襲し、経営効率を図りながらこれからも株式会社ベストシステムを存続させていきましょうということでグル-プ入りを決意しました。
グル-プ入りしてからは、父から代表取締役を引き継ぐことになりました。これまでは会社経営の悩み事を自身で抱え込むことが多かったのですが、今は気軽に相談に乗ってくれる方がおり、代表取締役にはなったものの肩の荷が以前よりも軽くなりました。今のところM&Aを理由に退職した職員などもいませんので、私としても非常にうれしく思っています。
またM&Aされた側という立場でしたが、今はM&Aを実行する側にもなりグル-プ薬局が増えています。グループ入り後のベストシステム社の経営状態の改善率には驚くばかりです。
これから期待したいこと
静岡県西部エリアに30年以上続いてきたこの会社を、この地域のヘルスケアに欠かせない基盤の1つとしてこれからも変わりなく存続していってほしいです。
これからの30年は医療-介護の協業体制の構築、ICTの活用、僻地の医療を守ることといった課題であり目標がそこにあります。単独経営では今までできなかったことができるようになる。新しい地域医療の在り方を一緒に築いていけると嬉しいです。